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先日会った変性性脊髄症のコーギーのCちゃんを例に
犬の整体の考察をまとめたいと思います。

病気が理由の場合

変性性脊髄症は
主に下半身から神経の伝達に支障が生じ
徐々に全身の運動機能が衰えていく病気です
この病気に関して詳しくお知りになりたい方は別途検索してください

Cちゃんは後ろ足が両方踏ん張れない状態でした。

整体にできることは
“負担のかかっている部分をゆるめ、
使えていない部分に刺激を与える”ことのみですので

Cちゃんに関しても、そのように心がけて施術しました

○お尻の筋肉が弱るから ふらふらしてしまう

Cちゃんの体でたぶん一番に神経に障害が出たのは
立位の後肢を支える殿筋のようでした。

Cちゃん1

殿筋は骨盤と大腿骨をつなぐ筋で
股関節の伸展に働きます。

Cちゃん2

人間は直立しているので
立っているときに殿筋を使えていなくても

バランスさえとれれば立っていることは可能です。

Cちゃん3

しかし犬は股関節をほぼ90度の角度に保たなくてはいけませんから
殿筋が弱ってくると、ただ立っているだけでも厳しくなってしまいます。

症状としては、立位でお尻がふらふら揺れる
もしくは、どちらかに倒れてしまう。

という状態でした。

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 ○立っていられないけど、急ぎ足なら歩ける

言葉だけ聞くと不思議な感じがすると思いますが

立っているだけでお尻がふらふらしてしまうCちゃんも
勢い良く歩く時は 後ろ足も使ってある程度は歩けます。

これは、自転車を想像すると分かりやすいはずです。

ある程度の速度で走っている自転車は
何か外力が働くか、操縦ミスをしない限り倒れませんよね

その反面、ごくゆっくり走ろうとすると、ふらふらします

もっとわかりやすくいえば
転がるコインの状態です。

Cちゃん4

勢い良く転がる間は安定してます。が

Cちゃん5

勢いがなくなるとフラフラし始めますよね。
つまり推進力がある時のほうが立っていられるんです。

だからCちゃんも、
動きたいという気持ちが強い時は
一度立ち上がると
勢い良く前足で蹴って
後ろ足はその勢いに乗るようにして走っていました。

ワンちゃんの「自分の足で移動したい」という気持ち
また自らの力で足を動かす。ということを諦めさせない。
という観点からは
走るのはとても大切です。

でも筋トレの観点からみると
できればゆっくり歩かせたいのです。

病名がついていても
もしまだ“ゆっくり歩くこともできる“子なら
ぜひ走らないトレーニングをしてもらいたいところです。

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○坐骨~頚骨ソメンにつながる筋肉で立ったりすわったりしていた

膝を曲げ伸ばしせず立ち上がり
勢いをつけて歩いていたCちゃんが頼っていた筋肉
それは内モモ
坐骨から膝下につながる筋肉です

たとえば半腱様筋
Cちゃん6

それに大内転筋
Cちゃん8
あと薄筋など。
Cちゃん7

これらの筋は、普段は膝を伸展させる際に主に働くのですが
Cちゃんはこの筋で
立ち上がる際、たっている姿勢を維持しようとする際
そして歩く際に頼っていました。

実はこれらの内モモの筋に頼るようになる子は 意外と多いんです。

理由はやはりわかりません。
でもこの”坐骨から頚骨前面の筋”というエリアが
頼りすぎてスジスジになってしまっている子はとても多いのですが

やっかいなことは
Cちゃん9
このエリアの筋がスジ状になると
Cちゃん10

骨盤が後ろに引き下がってしまうのです。
これ、姿勢で見ると お尻が下がった状態です。

この状態を改善するには

前モモ
Cちゃん113
つまり骨盤の前側から出ている筋肉を
使える状態にすること。なのです

筋トレは
仕方がないことですが
つねに飼い主さんとの試行錯誤となります。

“スクワットやってね”
で、 やってくれればいいんですけどね・・

もうちょっと続きます。